空に叫ぶ愛
長谷川ナイトの腕からすり抜けるように私は立ち上がり、彼から一歩だけ離れる。
そして私と同じように立ち上がった彼のブルーの瞳を見る。
「空は私にとって何よりも大きくて、大切な存在なの。空は私の生きる意味……だから!空がいなくなったら私っ……私の存在価値がなくなっちゃう」
それに、空じゃないとダメなの。
空の代わりなんて誰もできない。
「……んだよ、それ。わけわかんねーよ」
「長谷川ナイトに私達のことがわかるわけない!」
わかるわけない。
理解できるわけ、ない。
私達はお互いが生きていくために、お互いが必要なの。
どちらかが欠けてしまえば、どちらかが生きる意味をなくしてしまう。
「私は空の命を、空は私の命を背負って生きているの。あんたに、わかるはずがない」
フワッと吹いた風は私のスカートを少しだけ持ち上げただけ。