空に叫ぶ愛
思いつくところを片っ端から探し、やっとビンゴの屋上にたどりついた。


そして会話は「やめて!!」と愛が叫んだところから全部聞かせてもらった。



「俺は、愛を一生好きでおる自信がある」


「………」


「おかしくなんかない。愛の生きる意味になった時に誓ったっちゃん」



 ───…愛を、一生、愛することを。



そう長谷川に伝えると、長谷川は面食らったように笑って。



「僕の負けだね。金子の愛は本物の空より大きくて綺麗だ」


「……当たり前やし」



俺がそう言うと長谷川は鼻で笑った。

愛は誰にも渡さない。


俺は心が狭いから。


愛が他の男といると思うと、無性に腹が立つ。
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