空に叫ぶ愛
だからさっき、愛が長谷川といると思ったら、はらわたが煮えくりかえそうになって。


イライラしとった。


しかも、コイツ

愛のこと天使とか呼ぶし……


堂々と愛を自分のものにするとか、わけわからん宣言するし。



「さてと。泣き虫姫を見つけにいかんといけんな」


「それを言うなら泣き虫天使」


「姫でいいやん」



そう言い返すと長谷川と目が合い、二人同時に吹き出してしまった。


ほんと……



「どうでもいー」



そう言うと屋上の扉の方に歩き出す。



「ははっ。早く姫を助けに行けよ、王子さま」



そう言った長谷川に、俺は手を上げて応えた。


さーて。


……お姫さまはどこかな。
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