空に叫ぶ愛
先ずは屋上から続く階段の近くにある図書館に向かったが、いなかった。


その次に理科室。



「おった…」



愛……こんなとこで。



「なんしよるん?」



実験台の下でうずくまるように泣いている愛に、悪いけど笑いそうになった。


泣き虫やなぁ……


君の涙さえ、愛しい。


涙なんて嫌いやったとに、愛の涙はなぜだか綺麗で。


その涙を拭ってあげたい気持ちと、

もっと泣かせたい気持ちが交差した。


……と、言っても。


やっぱり愛には泣いてほしくないかも。


愛の目が、俺だけしか映せんようになればいいのに…───。



「空……」


「ん?」
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