空に叫ぶ愛
別に教師という仕事を続けたいと思っていたわけでもなかったし。



「じゃあ、仕事は?先生辞めてどうすると?」


「俺は医師の免許も持ってるから。この町の水島医院は俺の親父の病院。そこで働かせてもらうよ」



もともと30才になったら病院で働くことが親父との約束だった。


3年早くなったって変わらない。むしろ親父は大喜びだ。



「そんなことより。俺は原田が心配」


「え?」


「俺のせいで、またいじめられたりでもしたら……」



こんな大胆なことをして、一番大変なのは原田だ。


明日から俺は学校には来ないが、原田は明日からも学校に通うんだから。
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