空に叫ぶ愛
俺がそう問うと、空はニッと笑った。



「どっちが勝っても、恨みっこなし。な?」


「……おう!」



正直。

勝てる気がせんかった。


空はイイやつやし。


何より愛ちゃんがすでに空に恋をしとるような、そんな感じしとったし。


それに、空には誰よりも幸せになって欲しいと思っとったけん。


……笑って欲しかった。


空が俺に心を開いて、空から家族のことを聞いた日は飛びはねて喜んだっちゃんね。


その時に、俺は自分が思っとるより、空が大好きなんやって思い知った。



────やけど。



愛ちゃんも好きやったんよ。


ナイトと同じように、初めて愛ちゃんを見た時〝天使〟やと思ったぐらい。
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