空に叫ぶ愛
最終章*空に叫ぶ愛
緊急事態発生
「さっむー!!」
ついこの間まであんなに暑かったのに、いきなり寒くなった。
といっても、雪なんかは積もらないけど。
ここらへんの雪はパラパラと降るぐらいで、積もるなんて年に数回。
しかも、薄い。
人生の中で雪だるまとか雪合戦とか、指で数えられるぐらいしかしたことがない。
「ちょ、愛。ストップ」
空はそう言うと繋いでいた手を離して、私に向き合った。
そのまま空は、私の首に巻かれてあるマフラーに手を伸ばす。
「風邪ひくけん」
「ありがとっ……」
崩れたマフラーを直してくれた。
そして再び絡まる手と手。
その繋がった手は空のポケットの中へ。
温かい……