空に叫ぶ愛
冷たい風が空の金色の髪を揺らした。
空は寒いのか、肩をすくめてマフラーの中に顔を軽く埋める。
「空って何で髪を金にしたの?」
「んー……親の気をひくため?」
あ、聞いちゃいけなかったかも。
「結局、気づいてもらえんやったけど。……あー、わからん。気づいとったのかもしれんね。なんも言ってこんやったけん、わからんけど。ははっ」
普段通り。
いつもと同じ表情に見えるけど、強がりにも見えるのは、空と一緒にいる時間が長いからなのかな。
伝わってくる。
無理に笑っているようにしか見えない。