空に叫ぶ愛


少なくとも私は空を〝出来が悪い〟とは思わないけど。


……思えない。



「天使?眉間にシワ、寄ってるよー?」


「…ほっといてよ。てか、いつまで天使って呼ぶの」


「んー?……死ぬまで♪」



死ぬまでアンタといるつもり、ない。


ニッコリ笑うナイトを見ていたら、口がフルフル痙攣し始めた。



「まあまあ、愛ちゃん」



そうやって私をなだめるのは翔。

若菜も苦笑いしてる。


……まあまあって、なによ。



「怒った顔も可愛いよ?」


「気持ち悪いから!」



ケラケラ笑う長谷川ナイト。


……こりゃ、完全にからかわれてるな。



これが毎日の風景になりつつある現状に、私はため息をつく。
< 278 / 374 >

この作品をシェア

pagetop