空に叫ぶ愛
目を見開いたまま固まってしまった空。


やば……

引かれた、かな……?



「ご、ごめん。やっぱ……」



いいや。

そう言おうと思ったのに。



「いいよ」



え?



「しょうがないなぁ」



そう言って抱き締めてくれた。
そしてそのままベッドの中に二人で入る。


安心するな……


空が近くに居てくれるだけで幸せ。

この温もりを手放したくない。

……ずっと、傍で感じていたい。


不意に、閉じていた目から涙が滲むように出て来た。


それを分かってか、後ろから抱き締める空の腕に力が少しだけ入る。


その温もりに包まれたまま。


二人は夜を過ごした。
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