空に叫ぶ愛
──────…



お風呂から上がると先にお風呂に入っていた空がボーッと縁側に座っていた。


縁側の外からやって来る北風が私の体を震わせた。



「空、風邪ひく……」



空の肩に手を置いて言った。でも、その肩があまりにひんやり冷たくて。


ビビッと電気が走ったかと思うと、いきなり怖くなった。


空がいなくなる、と不意に思ってしまった自分に嫌悪感を抱く。


でも、嫌な予感がした。



「空……ねぇ、空」


「………」


「何か、言ってよ」



根拠もない不安感を今すぐ取り除いてほしいの。


誰の手でもない、空の手で。
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