空に叫ぶ愛
「明日」



あした……?



「海の命日なんよ……」



空のお兄さんの……命日。



「怖いんよ……明日が」



空の人生を狂わせた日。


───あぁ、私のバカ。空になんて声をかければいいのか、わからないなんて。


こんなんじゃ、空を救うどころか支えられない。



「大丈夫だよ。私がいるから」


「ん……」



空を後ろから抱き締めながら言ったけど。


一体、何が大丈夫なんだろう……


でも、理屈とかじゃなくて。


空が〝大丈夫〟という言葉を待っているような気がしたから。


抱き締める力を強める。
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