空に叫ぶ愛
───ピンポーン…


お隣さん……つまり、空の家のチャイムをおさえめに鳴らす。



「どちらさま?」



しばらくして、中から顔を出したのは空のお母さんだった。


シルクのようなパジャマの上に高級そうなカーディガンを羽織った。


いかにもお金持ちです、みたいな。どう見てもこの村には不釣り合いだ。



「あなた、昨日の……」


「朝早くに、ごめんなさい」



いえ……と、髪をかきあげた空のお母さんはとても16歳の息子がいるとは思えない。


海くんが生きていれば21歳か……



「あの……」


「はい?」


「そ、空のことで話があって……来ました」
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