空に叫ぶ愛

空のお母さんは「空?」と顔を歪ませた。



「全部、聞きました。海くんの事故のことも……空とお母様達の関係も」



それで?とでも言いたげな顔。

でも、負けない。



「どうして愛してあげないんですか?空はすごく傷ついてます!だから…」


「愛せない」



え?



「愛せないから、愛さないのよ」



愛せない……?



「あなたに分かる?16歳で子供を産んだ私の気持ちと、その子供を失った気持ち」



16歳って……

今の私の年齢と同じ。



「当時、旦那は20歳。若い子供もちの私達を世間は汚いものを見るように見た。親にも縁を切られた。それでも私達は海を死に物狂いで育てたの!」


「…………」


< 340 / 374 >

この作品をシェア

pagetop