空に叫ぶ愛
分からない。


確かに、空のお母さんの気持ちなんて親になったことのない私には分からない。


だけど、空の気持ちは痛いほどわかるから。



「空は?空はどうなるの?」


「え?」


「空もあなた達の子供でしょう?」



泣くな。泣くな。泣くな。


泣いたら、伝えられなくなる。


……のに。

ポロポロ出てくる涙は私の意に反する。



「お願いします……空を、愛してあげてください」



深く、深く頭を下げる。


届いて……!

お願い、

届いて……!



「どうしてそんなに?」


「空が、大切だからです。何よりも大好きだから……」



愛されてほしい。

幸せであってほしい。
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