空に叫ぶ愛
どこなの!?

どこにいるの!?


ハァハァ息切れして出る息は白い。
サンダルを履いていたことを後悔した。


走りずらい……



「───い…誰か!誰か来てくれ!」



遠くで誰かが叫んでいるような声。


のどがカラカラになった私は唾を呑み込んでから、声のした方に走った。



──…嘘だ。



その光景を見て、初めに思ったこと。
……だって、ありえない。


空がぐったりと倒れているんだ。それも、道路のど真ん中で。


トラックの目の前で。


ねぇ?ありえないでしょう。



「いきなり飛び出して来たんよ。それでも避けようともせんし。避けようと思えば避けられたはずなのに……」



トラックの運転手は放心状態。
周りで偶然見ていたというおばさんも放心したように震えた声で説明した。


どうして?


空……────!
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