空に叫ぶ愛
───ピンポーン!



奥から出て来たのは、先程の格好となんら変わらない空のお母さんだった。


その後ろには空のお父さんもいる。
私を見て眉間にシワを寄せた。



『またアナタなの?』


『空が!空が事故に遭いました!早く病院に行ってあげてください!』


『事故……?』


『危険な状態なんです!早く……』



──…土下座でもしようと思ってた。


土下座でも、なんでもいいからやって、病院に行ってもらおうと。


でも、必要なかった。


私の話を聞いた空のお母さんとお父さんの顔は青白くなっていて。


二人共、そのままの格好で家を飛び出した。
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