空に叫ぶ愛
「どうして、こんな状況にならなきゃ分からなかったんだろう」



頬に涙が伝った。



「空の大切さが………」



馬鹿よね…と空のお母さんは空が事故に遭った一週間前から毎日のように言い続けている。


人は、大切な人の存在を

失って初めて気づく。


だけど、空はまだ死んでない。



「愛ちゃん……本当にごめんなさい」


「謝らないでください。きっと、空にも伝わってるはずだから……」



お願いだから居なくならないで…───


空が居なくなったら
私、どうやって生きて行くの?


空が居ない世界なんて想像できないよ。


………涙が止まらない。



「そらぁ!!!」

「空!!?」



遂に、その時がやって来た。
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