空に叫ぶ愛

「ごめん、愛……」



呼吸器に俺の掠れた声が籠る。


ごめん。

愛がいるのに、死にたいって思った。



「空が居なくなるって思ったらっ……怖かったよ」



俺も。


俺も愛をたった1人、この世界に置いていくと思ったら怖かった。


愛のいる、この世界から俺の存在が消えると思ったら怖かった。



「空はみんなから愛されてるよ。……ほら、見て?」



愛が指差した方を見ると、そこにはカラフルな千羽鶴が。


目を見開く。



「クラスのみんながね?たった1日で作っちゃったんだよ?」



すごいでしょう?と笑い泣く愛。


俺も、涙脆くなったかもしれん……。


死ぬほど、嬉しい。
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