空に叫ぶ愛


一回目のキスの時は自分が大人なのかも子供なのかも分からなかった。


でも、今は分かる。

間違いなく、私達はまだまだ子供だ。



「会えなくなる前に、愛の全てを奪っておきたい」



ねぇ、空?



「なにそれ」



私達……

離れてても大丈夫だよね……?



「うるさい。俺、心ちっさいっちゃん」



そう言って空は私の唇を塞いだ。


とろけそうな感覚を誤魔化すために空の制服をキュッと握る。



「愛しとうけん」



……空。



「誓う。一生、愛だけを愛するけん。愛を俺にちょうだい……」



涙が、たくさん溢れた。



「私も…。私も空を一生愛するから……もらってください」



最後らへんは恥ずかしくて、声が相当小さくなったけれど。


空には伝わった。


そのまま私達は初キスの思い出の場所で―――。


途中、窓の外を見ると今まで見たことのないぐらいの大粒の雪が降っていた。



それはまるで、

私達の愛のようだった…───。
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