空に叫ぶ愛
次の日、朝学校に行ってみると鈴木光樹が一目でわかった。
すごい女子に囲まれてる。
当の本人はだいぶ迷惑そうだけど。周りの女子は気づいてないようだ。
恋は盲目って聞いたことある。
あの女子達は鈴木光樹が好き過ぎて見えてないんだ。周りも。鈴木光樹も。
可哀想に。
そう思いながらその光景を見ていると鈴木光樹と目が合ったような気がした。
私は気にせず鞄の中身を机の中に入れる。
今思うと、この時から私の人生の歯車が噛み合わなくなったような気がする。
運命の悪戯…
と、でも言おうか。
まぁ、現実はそんなに可愛いものではなかったけれど。
確かに私の人生は全くと言って変わった。
現実の世界を支配する悪魔が私に鋭い牙を向けたのだ。