空に叫ぶ愛
「愛、おはよう!」
「おはー。……気合い入ってんね」
友美は「メイクに2時間かけちゃった」と頬を赤らめながら言う。
その目線は鈴木光樹に行っていて。
私はそんな友美の背中を押しながら「喋りかけて来な」って友美を鈴木光樹の前に連れて行く。
「…なに?」
席に座っている鈴木光樹は私達を見上げていて。
近くで見ると本当にかっこ良かった。
「な、なななんでもないっ!」
そう友美は言うと私の手を引っ張って走り、トイレの中へ駆け込んだ。
友美の顔が真っ赤なのはきっと走ったせいではない。
それは恋愛経験がない私にもわかる。
「もうっ愛!なんてことすんのよっ」
「ごめん、ごめん」
「もう二度としないでよっ?」
「わかった、わかった」
言葉を二回繰り返す私は反省してないんだろうな。
自分で言うのもなんだけど。