空に叫ぶ愛

「キャハハハ!」



熊本さん達の笑い声が教室に響く。

気づいてないのかな、迷惑な雑音だってことに。


まあ、今は昼休みだから『静かにして』と言うとおかしいけれど。

もう少し、気を使ってもいいでしょ。



「ねぇ。熊本達どう思う?」



そう言い出したのは明里だった。


どう思うって……

正直、特にどうも思わない。



「うざくない?…調子乗ってるっつうか…」



そう言ったのは由希だ。

……はっきり言い過ぎだよ。


由希の性格は男並にサバサバしていて、そんな由希が私は嫌いじゃない。


だけど、思ったことをすぐ口に出すのは彼女の長所でもあり短所でもあった。


口は災いの元、というからね。



「やっぱり?私もそう思ってたんだぁ」



由希に便乗したのは明里。

そのまま二人は会話を続け、熊本さん達の悪口に発展させた。


私と友美は二人の会話を聞いているだけ。


もともと私と友美は悪口とか苦手とゆうか、言わなかったし。


暗黙のルールで二人とも悪口は言わなかった。


だから、悪口は未知の世界というか……


そんなことが会話に出て来るほど私達は会話のネタに困らなかったから。


いつもくだらないことで笑って。

いつもくだらないことで喧嘩して。

いつもくだらないことで仲直りして。



いつもくだらないことで二人は友情を育てていたから。
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