空に叫ぶ愛

──キンコンカンコン…


そしてチャイムが鳴った。それを聞いてみんなが席に座りだす。


結局、由希と明里は昼休みの最後まで悪口という名の“ムダ”を過ごした。



「今から学級の係や委員を決めたいと思います」



担任の話をそこそこ聞きながら友美を見る。


友美を見ていると本当に面白い。


友美の目線はいつも鈴木光樹にいっていて、友美の表情はコロコロ変わっていくから飽きない。


何より可愛いし。


恋をするとみんなこうなるんだろうか…?



「……誰もいない?生き物係してくれる人」



不意に担任の声が聞こえた。


生き物係?


さっき配られたプリントを見ると【教室にあるメダカや花などの世話をする】と書かれてあって。


簡単そうじゃん。

私はそう思い、手を挙げた。



「よし、決まり。じゃあ二人お願いね」



二人?

私以外に手を挙げた人がいたのかな?


そう思い、担任が黒板に書いた生き物係の名前を見てびっくりした。


島田愛。

鈴木光樹。


並んだ二つの名前に目を見開く。
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