空に叫ぶ愛
「で、相手は?」


「……じゃあね、先生」



私はニコッと笑うと立ち上がってバックを持ち、保険室を出た。


……聞くんじゃなかった。



「愛ちゃーん!」



バタバタバタッと走って来るのは笑顔の若菜。


私はそんな若菜に「どうしたの?」の言う。



「聞いて!聞いて!吉村さんがごめんって謝ってくれたとって!」



マジ?

あの吉村が?



「良かったじゃん?」


「うん!愛ちん、ありがとー!」



ニコニコ笑いながら言う若菜がすごく、輝いて見える。


本当、良かったね。


若菜の心からの笑顔……


なんだかホッとした。
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