幕末異聞―弐―




三味線は人の一生に似ている。




弾かれれば強く反発し、一瞬の輝くような大きな音を発した後は、静かに消えていく。


それを何回も繰り返して初めて曲となる。




人間も、生まれて一瞬眩い光を放ち、やがて消える。





それを繰り返す事で歴史を造っているのだ。








――では私も歴史を造る土台になっているのだろうか?






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