幕末異聞―弐―
壱拾八章:傷跡
――全部夢だったんだ
本気で笑い合える相手がいて
本気でぶつかれる相手がいて
本気で守りたいと思えるモノがあって…
それは全部うちが作り出した妄想
その証拠に死ぬ時はやっぱり一人じゃないか
こんな冷たい暗闇に包まれて音も無くて声も出なくて
…どうせ声が出ないのなら一生分泣いてやろう
今まで我慢してた涙全部出してやろう
此処にはうち一人なんやから