幕末異聞―弐―
壱拾八章:傷跡


――全部夢だったんだ





本気で笑い合える相手がいて



本気でぶつかれる相手がいて



本気で守りたいと思えるモノがあって…



それは全部うちが作り出した妄想


その証拠に死ぬ時はやっぱり一人じゃないか


こんな冷たい暗闇に包まれて音も無くて声も出なくて




…どうせ声が出ないのなら一生分泣いてやろう


今まで我慢してた涙全部出してやろう






此処にはうち一人なんやから





< 223 / 349 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop