素直になれなくて
*7 新しい恋
「夏美ちゃん、おはよう」
「おはよう、稀田くん」
朝登校して教室に行くと、もう稀田が来ていた。
「あのさ、今週の日曜日何か用事ある?」
「どうして?」
「地域の運動会での賞品、遊園地のペアチケットだったんだよ」
「あ、そうなの!?地域の運動会にしては、良い賞品・・・」
結局、リレーは稀田くんの地区が優勝した。
そして、運動会のMVPは稀田くんだったからその賞品。
「一緒に行かない?」
「え?!」
「もしかして、用事ある?」
「ないけど・・・」
もし、稀田くんと二人で遊園地にいるとこを見られたらまた何されるかー・・・
「大丈夫だよ。周りから何か言われても、俺が守るから」
「え?!」
「決まりね。じゃあ、時間と待ち合わせ場所はメールするね」
「え・・・え・・・ちょ・・・」
「楽しみだね。遊園地」
「あ・・・うん」
綺麗な顔に微笑まれると、何も言えなくなってしまうのは何故だろうー・・・