素直になれなくて













「夏美ちゃん、おはよう」



朝、下駄箱で上靴に履き替えていると声を掛けられた。




「!」



身体がビクッと跳ね、緊張が走る。





「偉いわね。きちんと学校に来ていて」




「…」






声を掛けてきたのは、4年の時の担任。






私が不登校になる、きっかけを作った人物。








今までなるべく会わないようにしてきたがー…




「先生、夏美ちゃんのことが心配だったのよ」


「…」


「課題をやらずに帰ってしまった後から、学校来なくなってしまったんだもの」


「…っ」






聞きたくない。










この人の声なんか、聞きたくない!!









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