素直になれなくて
「何してるんだよ!」
…この声ー…
こっちに向かって、遼平くんが走ってくる。
そして、夏美をかばうように立った。
「何って…遼平くんこそ、朝の会の最中じゃないの?」
「もう終わった」
「嘘言わないの。まだ時間が…」
「先生のクラスだけだよ。終わってないの。他のクラスは、とっくに終わってる」
「え…」
「早く教室行けば?じゃないと、先生のクラスだけ遅れるよ」
「…っ」
一瞬だけ、先生は眉間にシワを寄せた。
が、黙って教室に向かって早足で向かった。