素直になれなくて






「あー…あの子いいなぁ」

「稀田くんの隣…毎日が癒やされそう」



クラス中から注目の的となっている。




視線が痛い…






特に、女子の視線がー…










「座らないの?」




ドキ。


「え…」


「31のクジ引いたんでしょ?」

「う…うん」


手に持っているクジをチラッと、稀田くんに見せた。




「どうぞ」



ニコっと笑って、隣を指し示してくれた。





「…どうも」





その笑顔がすごくカッコ良くて、照れる。












「全員、移動し終わったかー?SHR始めるぞー」




担任の声に、今まで立っていた生徒が慌てて席につく。




夏美も、慌てて座る。







< 54 / 112 >

この作品をシェア

pagetop