素直になれなくて






ぐいっと肩を後ろに引かれた。



「…何してんの?」





ゆっくりと見上げると、息を荒らした良平くんがいた。




「りょう…へいくん」



「お前ら、何か用?」




夏美を囲んでいた男たちを、睨みつけている。



「えぇ!?あんたも、りょうへい!?」

「おい!遼平!!来てみろよ」

「お前と違って、カッコいいぞ」





良平くんに持たれた肩が熱い。





だけど、それ以上に心臓が熱い。






「…」



ゆっくり近付いてくる、遼平くん。









ずっとー…








目が合ったまま。









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