素直になれなくて
―…小学5年…―
「夏美ちゃん、教室じゃなくていいから保健室で勉強しててね」
「…」
優しく話し掛けてくる、担任の先生。
私は、頷くか首を振ることしかしない。
「それじゃ先生、教室行くから。保健室行くんだよ?」
コクリと頷き、保健室に向かって歩く。
授業中だからか、廊下はとても静かだ。
「きゃはは!」
たまに聞こえてくる、楽しそうな笑い声。
その声は私にとって、苦痛の声にしか聞こえないー…