素直になれなくて
「ふぁぁ…ぁ」
やっと、授業終わった。
一睡もしてないと、やっぱキツかったなぁ。
[まもなく…線に電車が参ります…]
今日は、遼平くんたちいないのかな?
学校帰りの駅のホームで、辺りをキョロキョロと見渡す。
「…って」
向こうは、会いたがってないのに探してどうするー…
「はぁ…」
本日、2度目の大きな溜め息が出た時だった。
「りょうへいさぁ、馬鹿だよね。あれほど、私が言ったのに」
「お前、遼平に聞かれたら怒られるぞ」
あ…遼平くんがいる集団の人達だ。
静かな駅に、その人達の声はよく聞こえた。
「だって、本当のことじゃない?あれほど、駅でタバコ吸うなって言ったのに。通報されて、自宅謹慎になったんでしょ」
ドクン。
タバコ?
謹慎?
「昨日の今日で、先公の対応も早かったな。ま、前から目をつけられたんだろうけど」
昨日ー…
「出席日数も成績もギリギリなのに、留年したらどうするんだっつーの」
「留年どころか、退学になりそうだけどな」
私が、駅で先輩に絡まれたときのことだ。
「…っ」
ドクン。ドクン。
どうしよう、私のせいだ。