love or like
「可愛い子なの一回会ってみない?」
そう進めると、響が嫌そうな顔をした。
そう言えば昨日“周りを固めてくる女の子嫌い”って言ってたっけ?
「無理ならいいけど」
「お前がそんなに進める子なら…」
「無理しなくていいって、あたし一応先輩なんだから断れるよ!」
ふーんと言うと響は勢いよくお酒を飲みだした。
「響ってどんな子がタイプなの?」
「タイプねぇ~」
ほんのり頬を染めている響が悩みだした。
「鈍感で俺を振り回そうとする子かな」
鈍感で響を振り回す…難しいなぁ…
ぼそりと響が何かを言ったような気が…
「今、何か言った?」
「何も言ってないよ。茜は?」
あたしの好みか…
「仕事が出来て、包容力のある人かなぁ」
「それって俺?」
「何言ってんの?ありえない!包容力ないじゃん」
げらげらと笑っていると、響がむすっと不機嫌になった。
「何?怒ったの?」
からかうように響の顔を覗き込んだ。
その顔は明らかに不機嫌で怒っている。
「怒らせたならごめん!」
「もういいよ。茜、ゲーム出来るよな?」
いきなり話を変えてきた。
「出来るけど、難しいのはちょっと」
その後お酒を飲みながら懐かしいゲーム大会になった。
気が付いたら終電が出た後だった。
「どうしようか…」
「泊まって行けば?」
響が赤い顔をしてそう言った。
「そんなの悪いよ!」
「茜をおそったりしねーよ。腹貸してやるから、風呂入ってくる?」
そう言うと響が立ちあがて隣の部屋に行った。
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