キミがいた夏
レッスン3
手慣れてる。

一言で言うなら、そんな感じ。

軽いキスが深くなり
彼の唇が首筋から鎖骨へと
どんどん下がって行く。

時折「椎奈」と呼ばれ、胸の奥がギュッとする。

どうして私なの?
そんな単純な質問すら出来ないまま
彼の思うままになって行く自分。

彼を求める女の子は多いだろう。
それなのに、なぜ私?

あの時、教室に居合わせたから?

きっと誰でも良かったはず。
そんな結論しか導けない私の思考。


< 32 / 71 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop