キミがいた夏
「なぁ、近藤って早乙女と付き合ってたの?」

突然、言い出したのは
あの頃クラスでも中心人物だった男の子。

「ああ、それ、私も訊きたかったんだよね~」

当時、派手で賑やかだった彼女も口を合わせる。
みんなの視線が一斉に私に注がれるのが分かる。

「ま、まさか――!!
そんな訳ないじゃん!」

「ホント~? でも一緒にお祭りに行ってたじゃない?」

見られてたの?

「あ、あれは・・・たまたま出会って・・・」

「そう? すっごく楽しそうだったよ?
お似合いだな、って思ったもん」

傍からはそんな風に見えてたんだ・・・。


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