純愛ラブレター
〜僕の気持ち〜
ある年の春、僕は緑が広がる丘へ足を踏み入れた。




春を感じることができる、温かい風…。
いや、優しい風。




もしかして…紗綾(さや)、君なのかい??




ふと僕が前を見ると、ほら……。




「祥平!!」




笑顔を向ける、僕の親友であり幼馴染みである、ブチこと渕谷圭介。




圭「早く早く!」




祥「わかったから」




ブチに急かされて、霊園を歩く僕。




圭「紗綾ちゃんも待ってたんだしさ!早く歩けよ!」



祥「歩いてるだろ!だから急かすなって!!」




そう…今僕たちは、僕の最愛の恋人、塚本紗綾に会うために歩いていたんだ。




紗綾は、高校卒業が間近だったのに、病死してしまった。




紗綾の墓は、この綺麗な霊園にある。




圭「祥平!」




ブチが僕を呼ぶ。
僕はブチに近づく。




圭「ほら!」




ブチが見つめる先に、“塚本家之墓"の文字が刻まれた墓石が、ひっそりとあった。




―この中に…紗綾がいる―



そう思うだけで、泣けてくる。




圭「お…おい!祥平!泣くなって!」




ブチが慌てる。
だけど…涙が止まらない。



どうして紗綾なんだ
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