純愛ラブレター
どうして紗綾が…




なぜ、紗綾を死なせた…




なぜ、なぜ紗綾なんだ?




どす黒い僕の気持ちが、温かい僕の気持ちを支配する。




辛いのは、僕だけではない。



わかっている…。
わかっているのに、この気持ちは治まらない




圭「紗綾ちゃんが悲しむだろ!」




ブチの言う通りだ…
紗綾の前で泣くなんて、情けない。




祥「そうだよな…ごめん」




僕は、慌てて涙を拭う。




まだ涙が溢れそうで怖いが、紗綾の前に立っているんだ…泣くわけにはいかない。




圭「花は持ってきたよな?」



祥「持ってきた!」




紗綾の墓に献花を置く。
さわさわと風が吹く。




―塚本紗綾、享年18歳…―



墓石に刻まれた、紗綾の名前。




だめだ…まだ涙が出そうになる。
拭っても拭っても溢れるこの涙は、僕と紗綾の涙だ。




―祥ちゃん!―




僕の頭の中で木霊する、紗綾が僕を呼んでいる声…。



今でも僕の心の中では、紗綾が生きている。




紗綾が…活き活きと輝いている。




紗綾の笑顔、声、仕草や行動すべてが…僕は大好きだった。
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