純愛ラブレター
祥「確かに言ってた!」




圭「紗綾ちゃんとの約束ってなんだ?祥平、何か知ってるか?」




祥「悪い…わからないんだ」



圭「そうか…」




ずっと、ずっと考えていた…。
夏世が紗綾と何を約束したか、夏世がなぜ何も言わずに立ち去ったのか…。




2年の月日が流れた今でも、わからないままだ。




圭「もう少しで、紗綾ちゃんの2回忌だな」




ブチがそう呟いた途端、急に風か吹いた。




真っ青な空に浮かぶ白い雲が、一斉に流れ始める。




圭「紗綾ちゃん…元気にしてるかな?」




祥「元気にしてるだろ、きっとな…」




僕とブチは無言で、紗綾がいるであろう空を見上げる。




今の青い空は、紗綾の笑顔のようだった。




でも…何かが足りない。
それは、僕らでもわかる。




暫くの間空を見上げ、僕は紗綾の墓にある物を置いた。




圭「祥平…それは」




祥「うん、最後に撮った写真だ」




紗綾と接する機会がない今、僕はこうするしかなかったんだ。




圭「お前…それいつまで続けるつもりだ?」




祥「……」




何も言えない…。
紗綾を失った悲しみは、計り知れない。
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