…きっと恋してる

2人の姿が涙で滲んで見えた。



「淳平うそついたんだ…」



声をかけるのが怖くて、2人を見ている事しか出来ない。



「2人で買い物してたんだ…」



買い物袋を下げた淳平が嬉しそうに笑っていた。



身体の力が抜け、へなへなと座り込む。



2人の姿は遠ざかり、やがて見えなくなってしまった。



「お前何やってんの?」



「…………」



誰かがあたしの腕を引っ張り、立たせてくれた。



「おぁっ…なんつう顔してんだよ」



「うぅっ…ふえっ…うっく」



同級生の"成瀬 ヒロ"だった。
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