…きっと恋してる

「そうだよ」



「そっか…ごめんあたしちょっと調子悪くて」



「えっ!大丈夫かよ?」



「あっ…うん…だから今日は帰って?」



「えっ…あっあぁわかった…ちゃんと寝ろよ?じゃあ…おやすみ」



「おやすみ」



あたしは階段を駆け上がり部屋に飛び込んだ。



扉にもたれた身体は、ずるずると崩れ落ちた。



カサッと手の中の箱が揺れ、中身を取り出し口に入れた。



淳平が作ったクッキーは涙の味がした。
< 211 / 244 >

この作品をシェア

pagetop