…きっと恋してる
「何やってんだよてめぇ!!」
唖然とする淳平を、完ちゃんは怒鳴りつけた。
淳平に掴みかかった完ちゃんを、由香里が止めに入ろうと動いた。
あたしはワケも解らず、走り出していた。
「あきらっ!」
淳平の声が聞こえた気がしたけど、あたしの足は止まってなんてくれなかった。
夢中で走った溢れる涙も気にせず。
「うぇっ…ふぅ…ううっ…ひっ…うぐっ…」
いつの間にか降りだした雨にうたれ、嗚咽する。
さっき見た光景がリピートされ、膝から崩れ落ちた。
「もっ…や…だ…」
あまりの衝撃に胸の痛みが苦しい。
今のあたしには何も考える余裕なんてなかった。