…きっと恋してる

「あたしやっぱり保健室行くわ…」


「一緒に行くよ」



ふらつく身体を由香里が支えてくれる。



「ごめん由香里」


「ばーか…友達でしょ」



ふっと笑った由香里と保健室に向かう。



「あのっ、佐々木先輩ちょっといいですか?」



不意に呼ばれ、振り返ったその先にいたのは、あの女の子だった。



「な…に?」


彼女の姿を見ただけで、気分が悪くなってしまった。



くらくらする。



「ちょっとあんたねぇ…」


「わたし柳先輩のこと好きなんです…だから…」


世界が歪む…もうダメ…。



目の前がぼやけ暗くなっていく。



ドサッ



「……きら…」


遠ざかる意識の中、誰かに呼ばれた気がした。

< 226 / 244 >

この作品をシェア

pagetop