…きっと恋してる
彼はあたしより一つ上で『医者になるために勉強中なんだ』と言っていた


「真也」と名乗った彼はあたしより先に帰って行った


だけど難しそうな本ばっかりだったな


あたしには解んないや


なんつ思いながら淳平を待った


──…
─…


「明っ待ったか?」


「淳平遅いよ~」


「わりい練習長引いてさ」


顔の前で手を合わせて謝る


そんな淳平を見て今日の事を言うべきかどうかあたしは迷っていた
< 69 / 244 >

この作品をシェア

pagetop