人こそ芸術 part1
僕の日曜日
眩しい太陽の光で起こされた。
薄いグリーンカーテンの隙間から光が射し込み、寝室が少し明るかった。
ベッドから上半身を起こし、目を擦りながらカーテンの隙間を覗く。
今日の天気は良さそうだ。
立ち上がりカーテンを開け放つ。
僕の目にはまだ太陽の光は刺激が強すぎた。
僕は手をかざし、目元に影をつくる。
「いい天気だなぁ」
予想通り、空には雲ひとつ無い快晴だった。
外からの風でカーテンが舞い踊る。
着替えを済ませ珈琲片手に朝刊を読む。
これは毎朝の習慣。
日曜日だからと言って特にする事が無いので、ベッドの隣に置いてある木製の本棚の前に立つ。
何だか読書をしたい気分になったのだ。
僕は一冊の小説に手を伸ばす。
この小説の作家が好きで、本棚は彼の作品で8割埋まっている。
僕はコレクターなので、基本的に集められる物は色々集めている。
小説は決まっていつも同じ出版社からの物を買っている。
ここの出版社は背表紙が黒で統一しているので、僕の本棚は何処を見ても黒一色で染まっている。