人こそ芸術 part1
この家にある地下室は自家製だ。
最初は僕が幼い頃から集めていた物たちを保管しておく為に、8年前に造ったのだ。
地下室を造ってからしばらくの間は昆虫標本、ミニカー、靴、帽子、ギター、カメラ、油絵、CD、王冠・・・といった物を集めていたのだが、心臓外科医をしているお陰でとても美しい物に出会った。
それは女の肉体、、、。
今、地下室に居るのは7人目。
地下室に居る女の食事は、僕のお手製お粥。
2日ぶりの食事だから、コレくらいが丁度いい。
容器にお粥をよそい、コップ一杯の水、食べる為の木製スプーンを銀のトレーに載せて地下室へ行く為の階段を下りる。
地下室への入り口を片手で押す。
森岡静菜の居る部屋は、扉と天井、床以外は分厚い硝子で覆われている。
外から見ると、水の入っていない巨大な水槽を見ているようだ。
分厚い硝子の所為か、部屋の扉を開けないと僕の存在に大抵気付かない。
鍵を開けて一歩中へ入る。
森岡静菜は湯気の立つお粥を見て、跳びかかってきた。
だが、それと同時に森岡静菜は後ろに引っ張られ倒れた。