人こそ芸術 part1

2本のワインが空になったのを合図に僕等は別々にシャワーを浴びる。

そして夜はベッドを共にする。

寝室の電気は消しているがカーテンを開けているので、僕の下に横たわる栞の顔がよく見える。

「しゅ・・・ゥ」

栞は甘い声で僕の名を呼ぶ。

栞の小さな白い果実をパン生地をこねる様に、優しく揉んでゆく。

「・・・しゅ・・・ぅ」

途切れ途切れに、僕の名を繰り返した。

「・・・しおり」

耳元で甘く囁いた。

唇を重ねる。

舌が絡み合う。

唇を離すと、僕等の間には銀色の糸がキラリと光った。

栞の白い果実に顔を埋める。

そして舌を這わせる。

「しゅ・・・ウッ」

汗でしっとりと濡れた白い果実の先端を口に含む。

「アッ」

小さく甘い声を出す。

歯を立て甘噛みする。

「ァアッ」

さっきよりも大きな声を出す。

僕は先端から口を離し、腰の送り出しを開始した。

僕が動く度に栞は鳴き、白い果実は上下に揺れた。

僕等は果て、2人抱き合いながら朝を迎えた。



< 34 / 97 >

この作品をシェア

pagetop