人こそ芸術 part1
僕の声に顔を上げる。
「へぇ?…ッ…ったぃ…」
そう言うと頭を抱えて再び下を向いてしまった。
「小山さん?大丈夫ですか?」
その声に反応し、呻き声とともに顔を上げた。
「…先生?」
「そうです。目黒です」
「やだ…こんな所見られちゃった…」
「どうです?酔いが醒めるまで家で珈琲でも飲んでいきませんか?」
「…じゃぁお言葉に甘えて」
小山るうは僕の車に手を付いて立ち上がると助手席に乗り込んだ。
僕はアクセルを踏み、自宅へと車を走らせた。
僕の頭の中は急な計画変更だったが混乱なんてしていない。
ただターゲットが櫻井舞から小山るうに変わっただけの事だ。