人こそ芸術 part1
僕は抱き付く小山るうの背中に腕を回さないし、舌だって動かさない。
小山るうはそんな僕の体を触り始めた。
髪、頬、腕、胸、腰、そして遂に体中を這う手が僕の股間に触れた。
瞬間、僕は小山るうの手首を掴んだ。
「セックスなんかしても鎖なんか外しませんから」
「私本気よ?」
上目遣いで言う。
「嘘は駄目です」
僕の言葉を聞き、舌打ちをして僕から離れた。
「畜生、テメー何が目的なんだよ!?」
病院で見る綺麗な小山るうからは想像しがたい言葉遣いだ。
「美しい体です」
それだけ言うと僕は背を向け扉を開ける。
「はぁ!?意味わかんねーんだよっ!!」
扉を閉める直前まで怒鳴り声が聞こえた。